温泉成分が凝縮された入浴剤の製造を見学「湯の花小屋」
天然の入浴剤を生み出す、世界で唯一の小屋
湯の町別府のお土産として人気なのが、「湯の花」です。湯の花と言えば、温泉好きな方には馴染み深いと思いますが、一体何でできているのかは知らないという方も多いのではないでしょうか。
温泉に入浴している際に、ゴミのような白い塊が浮かんでいるのを見たことがあると思います。実はそれこそ、湯の花なんです。湯の花は、天然温泉に含まれる成分や物質が沈殿・固形化してできた塊です。
この温泉成分の塊を温泉地では、本格的な温泉気分を味わえる入浴剤として販売しており、古くからお土産として親しまれてきました。
全国でも、草津温泉と別府温泉が湯の花の精製で有名となっており、別府では「湯の花小屋」で湯の花の製造工程を見学することができるようになっています。
「湯の花小屋」があるのは、別府市の明礬地区。硫黄の香りが漂うこのエリアには、明礬温泉があります。ここは地熱地帯となっており、地下30cm付近には温泉脈があります。そのため、地表からは勢いよく温泉ガスの蒸気が噴出しているのです。
この恵まれた地形を活かして、「みょうばん湯の里」の施設内にある「湯の花小屋」では、江戸時代から約300年、湯の花の製造が行われています。
「湯の花小屋」には藁、かや、竹、木材のみを使用し、釘を使わずに建てられた藁葺き屋根の小屋が50棟も建っており、小屋の中で湯の花が作られています。この小屋を使う製法は世界でも唯一であり、上質な湯の花が出来上がるのだそうです。
小屋は噴気の多い場所に建てられています。その後温泉のガスが小屋の中で均等に噴出できるように栗石で石畳を作り、その上にこの地特有の青粘土を5cm程度の厚さで敷き詰めて固めます。
そこに三角形の藁小屋を建設することで、雨が降っても一定の温度を保ち、蒸気中の水分を藁屋根によって屋外に出していくことができるそうです。
そうして地下の硫化ガスの蒸気が栗石の隙間から青粘土の中に入ると、ガス中の成分と、青粘土の成分が粘土表面に石綿状に結晶します。
この結晶が湯の花となります。1日に約1ミリ程度成長し、40〜60日ほど経過したら削るようにして採取、精製、乾燥して、粉末になったらようやく天然記念物の薬用入浴剤湯の花となるのです。
一つの湯の花小屋で3〜4回程度同じ作業を繰り返すと、青粘土は成分を失ってしまうため、新しく入れ替えを行いながら、繰り返し作業を続けていきます。
また藁葺き屋根の小屋も高温の蒸気の作用によって寿命は3年。その度に葺き替えが必要となるそうです。
「薬用 湯の花」の製造技術は国の重要無形民俗文化財に、湯の花のある景色は国の重要無形文化的景観に指定されています。
「湯の花小屋」の見学は無料となっていますので、先人の知恵をぜひ見てみてくださいね。
家族風呂や露天風呂を満喫しよう
「湯の花小屋」がある「みょうばん湯の里」には湯の花小屋をイメージした家族風呂や、標高350mに位置する眺望の良い自慢の露天風呂のほか、温泉蒸しのほか、郷土料理などがいただける食事処、そして湯の花やお土産を購入できる売店があります。
「湯の花小屋」を見学した後は、ゆっくり温泉を満喫して、帰りに湯の花をお土産に購入すると、きっと満足な1日を過ごすことができるはずです!
■みょうばん湯の里
別府市明礬温泉6組
TEL0977-66-8166
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