弘法大師ゆかりの寺「椿堂 遍照院」へ

2025/04/20

# 豊後高田市

豊後高田市真玉の静かな山あいには、六郷満山文化を今もなお色濃く伝える、貴重な寺々が点在しています。その中でも今回は、古き良き歴史を今に伝える古刹のひとつ、「椿堂 遍照院(つばきどう へんしょういん)」を訪ねてみました。一体、どのような魅力が秘められているのか⁉その一端をご紹介いたします。

 

真玉の自然の静寂に佇む古刹

 

椿堂_02

 

「椿堂 遍照院」は、無動寺の境外仏堂として宝暦10年(1760年)に創建されました。家内安全や無病息災、商売繁盛などのご利益があるお寺として地元の人々はもちろん、県外からも多くの人が訪れ深く信仰されてきました。またの名を「西高野山」とも称され、弘法大師ゆかりの寺としても知られています。

本堂には弘法大師像が鎮座しています。良縁や安産などの祈願のほか、住職による人生相談もおこなっているそうですよ。興味深い話が伺えそうです。

 

弘法大師といえば、平安時代に実在した僧侶で、遣唐使の留学僧として、唐(中国)で密教を学んだ後、真言宗の開祖となった人物です。弘法大使がはるか昔、寺のすぐそばにある「尻付山(しりつきやま)」という山へ登った際に、椿の木を杖代わりにしたことから「椿堂」と名付けられたのだそう。この地域では最も標高が高いとされる尻付山の頂上にたどり着いた弘法大師は、大きな岩に腰を下ろし、故郷の四国を眺めたとされたことから、山頂には「尻付岩」という岩があることでも知られています。

 

その見た目に驚いてしまう、本堂の「御礼の黒髪」

 

椿堂_03.

 

椿堂の本堂の入口を見上げると、軒先に黒髪やギプスが吊るされており、一瞬「これはなんだ!」と驚くかもしれません。これは、参拝者が願いが叶った際に奉納する「御礼の黒髪」と呼ばれており、病気平癒や願望成就を祈願した人々が、その願いが叶った際に自らの髪の毛やケガなどでつけていたギプスを奉納し、感謝の気持ちを表したという風習が残っているのだそうです。この光景は、椿堂が長きにわたり人々の心のよりどころとして存在してきた証であり、その信仰の深さを物語っています。

 

また、椿堂の境内の一角には、清らかな湧き水が湧き出るスポットがあります。弘法大師が約1200年前に宇佐神宮から訪れた際、本堂裏の奥の院の地面を杖で突いたところ、地面から清水が湧き出し、「ご霊水」となったのだとか。今も清らかに湧き出るご霊水は、心身を清め万病によいとされ、参拝者がこのご霊水を持ち帰ることも多いのだそうです。

 

椿堂_04.

 

弘法大師との深いつながり、清らかなご霊水、そして人々の信仰の証である黒髪。訪れる人々の心を穏やかに包み込む魅力あふれるお寺です。ぜひこの静かで神秘的な空間に足を運び、心静かに歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

 

 

■椿堂 遍照院

豊後高田市黒土1400

 

 

 


 

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