ポルトガルとの交流を感じる「久家の大蔵」
ポルトガルの伝統タイルで装飾された大蔵
臼杵市の城下町の中に突如として現れる大きな蔵。「野上弥生子文学記念館」の向かいにあるこちらの古い蔵は、1868年、江戸時代後期に建築された横8.1m、縦30mの大きなもので、「一の井手」で知られる臼杵の酒蔵「久家本店」の酒の貯蔵庫として活用されていました。
蔵は老朽化に伴い、取り壊し予定となっていましたが、歴史ある建物を観光文化施設として活用しようと、2000年に装飾タイルを使った壁画が飾られました。
現在はギャラリーとして活用され、コンサートや展示会などのイベントでも利用されています。
そんな「久家の大蔵」ですが、特筆すべきは外壁と建物内に飾られた美しい壁画。
こちらの壁画は「アズレージョ」と言われる装飾絵タイルを貼って作られました。
「アズレージョ」はポルトガル語・スペイン語の「アズール」が語源となっており、「アズール(azul)」は「青い」、「青」を意味し、「アズレジャー(azulejar)」は「青色にする」「彩色タイルを張る」などの意味を持ちます。
「アズレージョ」は16世紀から現在に至るまでポルトガルを中心に生産され、世界で愛されている装飾タイルです。イスラム文化の影響を受けていたポルトガルでは、昔から壁面の装飾に多く使われていたそうで、16世紀の後半にいはフランダース地区のタペストリーの影響を受けて、礼拝堂から駅構内、住宅の壁面などあらゆる建物の装飾として幾何学模様や動植物を描いたものがよく使われていました。
現在でも現代絵画の画家たちが、色彩、構図、表現方法など同一のアズレージョ制作を続けています。
14ものシーンが描かれたアズレージョ
「久家の大蔵」に飾られた白地にブルーで絵が描かれたタイルの作品は、ポルトガルで著名なアズレージョ作家であるロジェリオ・リベリオ氏によって制作されました。
全長約30メートルの壁画には14つものシーンが描かれています。
1. 日本への旅立ちの町ー大航海時代のリスボン港風景
2. 大航海時代 ポルトガル人の夢
3. 東と西の出会い(ポルトガルと日本の交流の始まりー交易の図)
4. 東と西の知識の交換(教え学び、文化を通じての繁栄)
5. 病人の看護をするアルメイダ(ヨーロッパ科学の導入と豊かな心)
6. 日本史を執筆するフロイス(相互理解のもとになる歴史の記述)
7.8.9. 大友宗麟の洗礼と祝福する天使たち
10. 臼杵教会、ノビシャド(地域に根付くキリスト教会)
11. 天正少年遣欧使肖像画、遥かなる旅、ローマでの歓迎大パレード(歴史に残る劇的な旅)
12. 最後の使節~南蛮屏風絵から(日本文化とポルトガル文化の融合のシンボル)
13. 荒海の航海を終えて(ポルトガル船の大航海は続く)
14. ポルトガルと臼杵の永遠の友情(子どもは命の価値の永遠さを表す)
臼杵市だけでなく、ポルトガルとの交流があった大分県の歴史なども描かれています。こちらの「久家の大蔵」は見学無料となっており、内部にもアズレージョが飾られていますので、城下町を訪れた際には、立ち寄ってみてください。
■久家の大蔵
臼杵市浜町
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