猫好きで知られる“東洋のロダン”の作品が集結「朝倉文夫記念館」
人物像、動物像、代表作がずらりと展示された記念館
豊後大野市の朝地町。周囲を緑に囲まれた静かな森の中にたたずむのが、「朝倉文夫記念館」です。
朝倉文夫と言えば、日本を代表する彫塑家(彫刻家)の一人。1883年に記念館の近くである、大分県大野郡上井田村、現在の豊後大野市朝地町に生まれました。
19歳で旧制竹田中学校を中退して上京し、1903年に東京美術学校彫刻選科に入学すると、在学中に1200点もの作品を制作。主席として卒業後、さまざまな賞を受賞し、1948年には彫塑家として初めて文化勲章を受賞しました。
「自然主義的写実主義」(あるがままの姿をそのままつくる)という作風を確立し、近代日本彫刻の基礎を構築したと言われています。
そんな朝倉文夫の作品を見ることができるのが、「朝倉文夫記念館」です。ここは、朝倉文夫が自身の作品に大きな影響を与えた、ふるさとの美しい自然の中に作品を展示する場所を作りたいと、生家の近くに土地を買い、「愛の園生」と名付けて工事を開始しました。
残念ながら建設途中で朝倉文夫は亡くなってしまいましたが、その思いを地域の方々が受け継ぎ、1991年に「愛の園生 朝倉文夫記念公園」が誕生しました。
現在は代表作として知られる、お墓の番人をしていたおじいさんをモデルに製作した「墓守」のほか、大好きだったという猫の像など、約40点が展示されています。
朝倉文夫は、彫塑家と言われていますが、彫刻ではなく、彫塑(ちょうそ)とは何かご存知ですか?
木や石などを彫ったり、削ったりして形を作る彫刻だけでなく、彫塑では心棒に粘土をつけて、手やへらなどで形を作り、完成したものを石膏で型をとります。そこにブロンズなどを流し込んで作るのです。
記念館には作品制作に使ったとされる道具の展示などもされていますよ。
木彫りの巨大猫に会える公園
朝倉文夫記念館がある、記念公園には、朝倉文夫へのオマージュとして、生前こよなく愛したという猫に由来した展示がされています。
朝倉文夫の母校である東京藝術大学彫刻科の教授らが、地元産の杉材から形を削り出し、手をあげ、福を招く「巨大寝ころび招き猫」と「おまもり子猫」を制作しました。
また、朝倉文夫が1964年の東京オリンピックの年に「百猫展」という展示を開催することを企画していたものの、志なかばで急逝してしまったことから、2回目の東京オリンピック開催を記念して、2021年に「立ち上がる猫」が制作されました。
3体は公園内にあるため、入場無料で見ることができます。
大きなかわいい猫に会いに訪れてみてくださいね。
園内にはアジアの現代彫刻作品が展示されているほか、朝倉文夫が愛した梅の木に加え、桜や藤、シャクナゲ、モミジ、サザンカなど四季折々の花々が訪れた人の心を和ませてくれるため、公園散策するだけでも楽しむことができますよ。
さらに、敷地内には文化ホールもあり、絵画・工芸・書・写真など、年間を通して様々な展覧会が開催されています。
四季の風景や芸術をぜひお楽しみください。
■朝倉文夫記念館
大分県豊後大野市朝地町池田1587-11
TEL:0974-72-1300
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